• SDカードをフォーマットしてしまい、写真が全部消えた。
  • 「復元できる」と書くサイトと「もう無理」と書くサイトがあって、自分がどちらなのか判断できない。
  • 何をすると手遅れになるのか、それだけでも先に知りたい。

「あ」と気づいた瞬間は、血の気が引きますよね。
でも落ち着いてください。フォーマットには、戻るものと戻らないものがあります。
そしてあなたがやったのは、おそらく戻るほうです。

分かれ目は、どの種類のフォーマットを選んだかです。
覚えていなくても判定できます。フォーマットが数秒で終わったなら、写真はまだカードの中に残っています。

当サイトは中古SDカード12枚の復元検証など、データ復旧ソフトの実測を続けてきました。
今回は消し方を4種類に分けて実測。カメラの初期化とWindowsのクイックフォーマットでは、写真50枚が50枚とも1バイトも欠けずに戻っています
読み終えれば、自分のカードが助かるかどうかが分かります。確認は1円も払わずにできます。

※カード自体がパソコンやカメラに認識されない場合は、原因が別です。SDカードが認識しない時の対処法を先にお読みください。

復元の前に:今すぐやめること3つ

手順より先に、これだけ読んでください。
写真が戻るかどうかは、ここからの数分の行動で決まります。

写真を守るために、今すぐやめること
  • そのカードで撮影しない。新しい写真が、消えた写真の上に書き込まれます。
  • そのカードに保存しない。ファイルのコピーも同じ理由でNGです。
  • もう一度フォーマットしない。「やり直せば直るかも」がいちばん危ない行動です。

理由はひとつです。
フォーマットは、本でいえば目次のページごと捨てただけの状態です。
写真のページ自体は破られずに残っています。
ただし新しく撮影すると、残っているページの上から書かれてしまいます。こうなると戻りません。

実測でも、フォーマット後に何も書き込まなければ写真50枚がすべて戻りました。
いちばん安全なのは、カードをカメラから抜いてしまうこと。

カードが「空っぽ」に見えても、慌てないでください
フォーマット直後のカードは、中身ゼロ・空き容量も全部空きで表示されます。
目次が消えたせいでそう見えるだけで、写真の実体はまだ入っています

なごむ

「とりあえずもう一度フォーマットしてみよう」は、いちばんやってはいけない一手です。

あなたがやった「フォーマット」はどれか

ここがこの記事の中心です。
「フォーマット」はひとつの操作ではありません。名前は同じでも中身が違い、その違いだけで結果が決まります。
片方は写真がほぼそのまま戻り、もう片方は1枚も戻りません。

あなたのフォーマットはどちら?

一瞬で終わった実測 約3秒

カメラの「初期化」
Windowsのクイックフォーマット

このときカードの中は

目次(消えた)

写真データそのまま無事

写真はまだカードの中にある実測:50枚すべてが元どおり戻った

かなり待たされた実測 21分20秒

Windowsの通常フォーマット
SDメモリカードフォーマッターの上書き

このときカードの中は

目次(消えた)

写真データ上から塗りつぶし

データ復旧ソフトでも見つからない実測:復元候補は1件も出なかった

覚えていなくても「かかった時間」で判定できる

どちらを選んだか覚えていない方がほとんどだと思います。
でも待たされたかどうかは覚えているはずです。そこで判定できます。

目次を消すだけなら一瞬。カード全体に書き込むなら、8GB分を端から端まで埋めることになります。
実測では、クイックフォーマットが約3秒、通常フォーマットが21分20秒
桁が違うので迷いません。待たされた記憶がないなら、それはクイックのほうです。

Windowsのフォーマット画面は、チェック1つしか違わない

パソコンでフォーマットした方は、この画面を見たはずです。
運命を分けるのは「クイック フォーマット」のチェックボックスだけです。

Windowsのクイックフォーマットならデータは戻ってくる。

大事なのは、このチェックは最初から入っていることです。
わざわざ外した記憶がなければ、あなたが実行したのはクイックフォーマットです。
カメラの「初期化」も、これと同じ仕組みで動いています。

クイックフォーマットのチェックを外した上書きフォーマットならデータは完全に消える
なごむ

20分待たされた記憶がないなら、まだ十分に望みがあります。

実測:消し方でここまで差が出た

デジカメで撮った写真50枚と動画15本、文書など計83ファイル(2.61GB)を用意しました。
1枚のカードに入れ、消し方を変えながら何枚戻るかを試しています。

「元どおり戻った」の数え方は厳しめにしています。
データ復旧ソフトは「復元しました」と表示しても、中身が壊れていることがあるからです。
そこでフォーマットの前に全ファイルの中身の記録(ハッシュ値)を取っておき、復元後に1つずつ照合。
中身が1文字も欠けずに一致したものだけを「戻った」と数えました。

消し方復元候補の検出写真50枚のうち
元どおり戻った
消去にかかった時間
カメラの「初期化」3,629件50枚数秒
Windowsのクイックフォーマット3,643件50枚約3秒
Windowsの通常フォーマット0件0枚21分20秒
SDメモリカードフォーマッターの上書き0件0枚20分58秒

クイックフォーマットしたカードをスキャンすると、3,643件の復元候補が出てきました。

クイックフォーマットなら全部復元でできた。


通常フォーマットのほうは、1件も見つかりませんでした。

通常(上書き)フォーマットは全滅。全く復元できない。

復元候補を開くと、写真は撮影時のファイル名のまま並んでいました
サムネイルも出るので、目当ての写真があるかはその場で分かります。

クイックフォーマットは写真全て復元。

これを実際に復元して、原本と照合した結果が次の画面です。
写真は50枚すべてが一致しました。

データレベル(ハッシュ)でみても完璧に復元。
なごむ

フォーマットしたのに、名前まで残っているのが分かりますか。これが「まだ戻る」の正体です。

なぜ写真だけこんなに戻るのか

同じカードに入れていたのに、文書のほうは名前が消えていました。
この差に、フォーマットの正体が表れています。

フォーマットが消したのは「カード直下の目次」だけだった

DCIMフォルダの中写真50枚・動画15本

名前もそのまま残った(P1090498.JPG)
写真は50枚とも元どおり復元

カード直下に置いた文書Word・Excel・PDFの3点

名前が消えた(別名で検出)
文書1つは中身も戻らなかった

効いているのはフォルダの中にあるかどうかです。デジカメやスマホの写真はDCIMフォルダに入る決まりなので、助かりやすいのです。

実際、文書は名前が失われ、別名で1件だけ検出されていました。

カード直下のファイルはファイル名が消えた。

正直に書いておきます
カメラで初期化した検証では、カード直下のPDF 1つだけが戻りませんでした
83ファイル中82ファイルが復元できた形です。
しかもそのPDFは、一覧には表示されていました。見つかること中身が無事なことは別だという例です。

今回の実測に使ったのはEaseUS Data Recovery Wizardです。
当サイトで各社のデータ復旧ソフトを比較してきた中で、経験上いちばん多く復元できてきたソフトだからです。無料版と有料版で探し出す性能に差はなく、違いは保存できる量だけです。

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完全無料でプレビュー、最大2GBまで無料で復元・保存

復元の手順【画面つき】

ここからは実際の画面で進めます。
操作そのものは数分です。スキャンの待ち時間を含めて、全体で30分ほどみておいてください。

  1. EaseUS Data Recovery Wizardの無料版をダウンロードして入れる。インストール先は、SDカード以外のドライブにします。
EaseUS Data Recovery Wizardのインストール
  1. SDカードをパソコンに挿す。カード側面のロックスイッチをLOCK側にしておくと、誤って書き込む事故を防げます。
  2. SDカードを選んで「紛失データの検索」を押す。あとは待つだけです。
EaseUS Data Recovery Wizardの紛失データの検索
  1. スキャンが終わったら、写真をダブルクリックしてプレビューで中身を確認する。ここまで無料です。
EaseUS Data Recovery Wizardのプレビューの確認。ここまで無料

ここで写真が見えたら、そのカードは救えます。
見えなければ1円も使わずに済みます。お金の判断は、この後で構いません。

  1. 戻したい写真にチェックを入れて「復元」を押す。
  2. 保存先は必ずパソコン側のドライブを選ぶ。SDカード自身に保存してはいけません(復元中のデータを自分で上書きしてしまいます)。
EaseUS Data Recovery Wizardの保存先の選択

ソフトは最初からパソコンのドライブを候補に出してくれます
緑のチェックが付いているほうを選べば問題ありません。

EaseUS Data Recovery WizardでSDカード(復元元)を絶対に選ばない

気をつけるのは「フォルダを選択…」に進んだときです。
この画面ではSDカード(D:)も選べてしまいます。SDカードを選んでしまうと復元できたはずのデータを上書きされてしまうため絶対に選ばないようにしてください。

「無料版」と「体験版」は別物です
公式サイトには名前の似た2つがあり、体験版はプレビューまでで保存が一切できません
入り口では「無料ダウンロード」「Free」と書かれたほうを選んでください。

無料で保存までできる「無料版」

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無料版で保存できるのは最大2GBまでです。
写真1枚がおよそ5MBなので、2GBあれば400枚分ほど。数十枚の写真なら無料版だけで足ります。
足りなくなるのは、動画が混ざる場合とカードを丸ごと戻したい場合です。

この上限がどこで出るのか、無料版だけでどこまで戻せるのかは、別記事で実測しています。

スキャンしても出てこなかった時

考えられる原因は主に2つです。

①上書きする種類のフォーマットだった
実測のとおり、通常フォーマットや上書きのあとは候補が1件も出ません。
市販のデータ復旧ソフトでは戻せませんが、別のソフトで再挑戦する余地はあります。得意分野がソフトごとに違うためです。

②カード自体に障害が起きている
スキャン中にエラーが出る、認識が途切れる、容量がおかしく表示される。
こうした症状があるなら、それ以上の通電はやめてください。ソフトで触るほど悪化する領域で、復旧業者の出番です。

よくある質問

何度もフォーマットしてしまいました。もう無理ですか?

回数は問題ではありません。
クイックフォーマットは目次を消すだけなので、何度繰り返しても写真の上に書き込みは起きません。
大事なのはその間に撮影や保存をしていないかです。していなければ、条件は1回目と変わりません。

「フォーマットしてください」と表示が出ます。押していいですか?

押す前にスキャンしてください。
この表示は、カードの管理情報が壊れて中身を読めなくなったときに出ます。写真そのものは残っていることが多い状態です。
データ復旧ソフトはこの状態でも中身を探せます。先に復元してから、フォーマットするかを決めてください。

フォーマットから何日か経っていますが戻りますか?

戻る可能性は十分あります。
復元をだめにするのは時間ではなく上書きです。そのカードを使っていなければ、条件は直後とほぼ同じです。
当サイトの中古SDカード検証では17年前の写真も検出されています。

逆に、売る前に完全に消したいのですが

この記事の裏返しです。クイックフォーマットでは消えません。
中古で売る・譲るなら、時間はかかっても上書きする方式を選んでください。
中古カード12枚を実際に復元した検証と、正しい消し方をまとめています。

まとめ:カードを抜いて、無料スキャンから

押さえること理由
撮影・保存・再フォーマットをやめる上書きだけが写真を消す
数秒で終わったなら戻る側消えたのは目次だけだから
写真は50枚とも元どおり戻った実測で確認済み
まず無料スキャンで確かめる戻るかどうかは0円で分かる

今日やることは1つだけ。カードを抜いて、無料スキャンをかける。
写真がプレビューに写れば、それはまだ救えるということです。

なごむ

フォーマットしてしまった時点では、まだ何も失われていません。次の一手が分かれ目です。

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