• SDカードの写真を、カメラの「全画像消去」でうっかり消してしまった。
  • USBメモリを挿したら「フォーマットしてください」と出て、仕事の書類が開けない。
  • 消えたことに気づかず撮り続けたSDカードから、子どもの動画だけでも取り戻したい。

こんな絶望的な状況でも、データを取り戻せるのが「データ復旧ソフト」です。しかし、データ復旧ソフトには得意・不得意があります。合っていないソフトを選んだばかりに、取り戻せたはずのデータが戻らなくなることもあります。

この記事はデータ復旧ソフトの中でも定評のあるRecoverit(リカバリット)を、ありとあらゆる面から網羅したものです。内容は、EaseUS・4DDiGを含む3本を自分で買い、同じSDカードとUSBメモリで比べた結果にもとづいています。これを読めば、いま困っている状況でデータが取り戻せるのか、別のソフトに当たったほうがいいのかが、はっきり分かります。

目次
  1. 先に結論|消しただけなら写真50枚が戻った。買う前に無料版で確かめられて、永続版は2台で12,980円
  2. Recoveritの料金|Windows版は永続12,980円で2台。Mac版は永続12,980円から(1台)
    1. 基本情報|Windows 7〜11・macOS 10.15以降・Wondershare製
  3. 無料版|500MBまで保存できる。買う前に、自分のデータが見えるかを確かめられる
  4. 実際に戻ったもの|消しただけなら写真50枚すべて。消したあと撮り続けても動画15本すべて
  5. 使い方|5ステップ。迷うのは「どこから選ぶか」の1か所だけ
    1. ①消えたSDカードやUSBメモリを選ぶ
    2. ②スキャン|8GBのSDカードで約11分
    3. ③「ファイルの場所」タブから選ぶ
    4. ④プレビューで中身を確かめる
    5. ⑤別の場所に保存する
  6. 起動しないパソコン|起動用USBは2台で起動した。ただし取り出せたのは88ファイル中13
  7. 復元以外にできること|ディスクを丸ごと写す・薄暗い顔写真を明るくする・壊れた写真を直す
    1. ディスクイメージ|復元の前にHDD・SSDを丸ごと写せる(474GBで約2時間半)
    2. AI写真補正|顔の細部補正は薄暗い顔写真を明るくした。ピンボケ補正は変化なし
    3. ファイル修復|先頭が壊れた写真は直る。後ろが欠けた写真は直らない
    4. パーティション復元・高度な復元・OneDrive・NAS|画面まで確かめた機能
    5. 別売りの3機能|永続版でも購入画面になる
  8. EaseUS・4DDiGとの違い|SDカード・USBメモリからは同じ。差は起動しないパソコン・動画・2台・付属機能
  9. V15の新機能|公式が挙げる6つと、買い直す前に知っておくこと
  10. よくある質問
    1. 返金保証はありますか?
    2. Mac版はどれを買えばいいですか?
    3. V14の永続版を持っています。V15に上げるべきですか?
    4. 起動しないパソコンにも使えますか?
    5. スキャンに時間がかかります。普通ですか?
    6. SDカードやHDDが物理的に壊れていそうです。使えますか?
    7. 起動するたびに更新の案内が出ます。止められますか?
    8. 困ったときの問い合わせ先はありますか?
    9. どうやって測りましたか?
  11. まとめ|次にやること3つ
  12. 症状別に詳しく知りたい人へ

先に結論|消しただけなら写真50枚が戻った。買う前に無料版で確かめられて、永続版は2台で12,980円

自分の状況に当てはめると、行き先はこうなります。

上から順に答えると、Recoveritでいいかが決まる
当てはまれば右へ、当てはまらなければ下へ進んでください
異音がする/水に濡れた/認識が不安定
はい
データ復旧業者に頼むデータ復旧ソフトは逆効果
いいえ
パソコンが起動しない
はい
EaseUSを選ぶ同じ2009年のパソコンで、EaseUSは88ファイル全部。Recoveritは13
いいえ
戻したい量は500MBまで
はい
Recoveritの無料版で足りるスキャンから保存まで無料
いいえ
Recoveritの永続版 12,980円(2台)無料版で数枚を保存して開いてから買う。今回だけなら月額6,580円でも

買う前に知りたい5つの答えも、先にまとめます。

知りたいこと Recoveritの答え
消しただけ・クイックフォーマットした ◎写真50枚すべて戻った
消えたあとも撮り続けた(EaseUSは動画0本) ◎動画15本すべて戻った
無料版 ○500MBまで保存できる
永続版の価格(Mac版は1台) ○12,980円で2台
起動しないパソコンから取り出す(EaseUSは88・4DDiGは84) ×88ファイル中13

※戻った数は、写真50枚ほかを入れたSDカード・USBメモリでの実測(V14)。暗号化されたパソコンは、起動用USBから読めませんでした。

Recoveritが向く人、向かない人は次のとおりです。

向く人
SDカード・USBメモリから、消したデータを戻したい人
消したあとも使い続けたSDカードから、動画を戻したい人
自宅と仕事用など、パソコン2台で使いたい人(1本で2台分)
薄暗い顔写真を明るくしたい人
復元の前に、ディスクを丸ごと写しておきたい人
向かない人
起動しないパソコンからデータを取り出したい人(EaseUSが向く)
パソコンで消して、ごみ箱も空にした写真を戻したい人(3本とも戻らず)
暗号化(BitLocker)されたパソコンを、起動用USBで読みたい人
異音がする・水に濡れたなど、機器が物理的に壊れている人(業者へ)

起動しないパソコンから取り出したい人は、起動しないパソコンの章で実測を見てから選んでください。それ以外の人は、このまま料金から読み進めてください。

Recoveritの料金|Windows版は永続12,980円で2台。Mac版は永続12,980円から(1台)

買う直前に迷うのは、12,980円を払って何が手に入るかです。永続版を1本買うと、パソコン2台に入れられます。消したデータの復元だけでなく、起動用USBの作成やディスクを丸ごと写す機能も使えます。写真の修復と補正も入っていて、別売りなのは3機能だけです。
Windows版は3つのプランで、使える機能は同じです。違うのは支払い方だけです。

Windows版(税込) 永続 1年 月額
価格 12,980円 10,980円 6,580円
使える台数 2台 2台 2台
自動更新 ○買い切り △あり △あり

※価格は税込。2026年10月7日に公式の購入ページで確認しました(Windows版・Mac版とも)。定価(9,980円・12,980円・14,980円)からの割引価格です。

私は永続版をおすすめします。月額版との差は6,400円、1年版との差は2,000円で、自動更新の解約も要りません。データが消える事故は一度で終わるとは限らず、2台に入れておけば家族のパソコンでも使えます。今回だけ使えればよい人は、月額版6,580円という選び方もあります。
支払いはクレジットカードのほか、PayPal・Amazon Pay・コンビニ決済・銀行振込が使えます。公式ページに残るLINE Payは、2025年4月に終了しています。

月額と1年を選ぶ人は、自動更新に気をつけてください。クレジットカードなどで買うと自動更新になります。1回だけ使うなら、コンビニ決済か銀行振込を選ぶと自動更新がなく、期限が来ると試用版へ戻ります(月額なら1か月後。公式の注記)。止めるときは、公式サイトの「自動更新停止」のページから手続きします。
永続版は買い切りですが、大型アップデートは別です。公式サイトには「主要な桁が変わる更新(例 9→10)は、新しい永続ライセンスが必要」と書かれています。2026年9月下旬にV15が出たので、V14の永続版を持っている人はこれに当たります。割引があるかは公式に書かれていません。

Mac版は料金が別で、3段階に分かれています。

Mac版(税込) Pro Ultimate Ultimate Plus
永続 12,980円 14,980円 16,980円
月額 7,980円 9,980円 11,980円
使える台数 1台 1台 2台
起動しないMacから取り出す(起動ディスク) ×なし ○あり ○あり
動画の修復・NAS(ネットワーク上のディスク)からの復元 ×なし ×なし ○あり

Windows版は1つのプランに起動用USBの作成まで入っています。Mac版で起動しないMacから取り出したい人は、Ultimate以上を選んでください。この記事の実測はWindows版で、Mac版は試していません。詳しくはMac版のページで確認してください。

基本情報|Windows 7〜11・macOS 10.15以降・Wondershare製

買う前に確かめたい基本の情報を、公式の技術仕様と購入ページからまとめました(2026年10月4日時点)。

項目 内容
メーカー Wondershare(Filmora・PDFelementと同じ会社)
最新版 V15(2026年9月下旬公開)。この記事の実測はV14(14.0.35)
対応OS
(Windows)
Windows 11・10・8.1・8・7(技術仕様ページ)
対応OS
(Mac)
macOS 10.15以降(Mac版は別料金・3段階)
対応する機器 内蔵・外付けのHDD/SSD、USBメモリ、SDカードなどのメモリーカード、デジタルカメラ
ファイル
システム
NTFS・FAT16・FAT32・exFAT・ReFS・HFS+・APFS・ext4・BTRFS・RAW
ファイル形式 1,000種類以上(公称)。写真・動画・音声・Office・PDF・メールなど
日本語 対応(起動用USBの画面だけ最初が英語。日本語に切り替え可)
必要な空き 56MB
無料版 あり。500MBまで保存できる
価格
(Windows)
月額6,580円/1年10,980円/永続12,980円(税込)。どれも2台
価格
(Mac)
永続はPro 12,980円(1台)/Ultimate 14,980円(1台)/Ultimate Plus 16,980円(2台)。月額は7,980円から
返金 7日間(条件あり)
問い合わせ メール・電話・チャット

無料版で開けることを確かめ、戻したい量が500MBを超える人は、ここから購入ページへ進めます。まだ試していない人は、次の章の無料版から始めてください。

データを復元するならこの1本

2台分のライセンスが付いてくる

無料版|500MBまで保存できる。買う前に、自分のデータが見えるかを確かめられる

買ったのに戻らない、という失敗を避ける方法があります。無料版でスキャンまで進めると、見つかったファイルの一覧と中身を、有料版と同じ手順で確かめられます。主な違いは保存できる量です。

入口に注意してください。公式サイトの「無料ダウンロード」ボタンから入るのは体験版です。スキャンはできますが、写真10枚(合計14MB)を選んだだけでも購入画面になりました。無料版は別のページにあり、画面に「無料版」のバッジが出ます。

Recoverit公式の無料版のページ。体験版とは、ダウンロードするページが違う
Recoveritの体験版と無料版は入口が違う。無料版は画面に無料版のバッジが出る

無料版で保存できるのは500MBまでです。公式ページには100MBと500MBの表記が混在していますが、V14で試したときの枠は500MBでした。
500MBは、少なくありません。今回の写真50枚(122MB)なら4回分、スマホの写真なら200枚ほど入ります。実測では無料版で50枚中49枚が元どおり戻り、1枚は1バイトだけ違いました(開けます)。

まずは無料で、見えるか確かめる

500MBまで保存できます

見えたら、大事な写真や書類を数枚だけ保存して、実際に開いてみてください。開ければ、500MBに収まる分はそのまま無料で保存できます。500MBを超える分は、有料版で保存します。プレビューで中身が見えないファイルは、有料版でも戻る見込みが低いと考えられます。

実際に戻ったもの|消しただけなら写真50枚すべて。消したあと撮り続けても動画15本すべて

いちばん知りたいのは、自分の消えた写真や書類が戻るかどうかです。公称の復元率では分かりません。そこで、同じ写真50枚と書類・動画をSDカードとUSBメモリに入れ、消し方を変えて5回測りました。戻ったファイルは、元のファイルと1バイト単位で照合しています。3本の結果を並べます。パソコン本体で消したファイルの結果は、表のすぐ下にまとめています。

何をしたか Recoverit EaseUS 4DDiG
USBメモリで消しただけ(88ファイル) ◎88/88 ◎88/88 ◎88/88
SDカードをクイックフォーマットした ◎写真50/50 ◎写真50/50 ◎写真50/50
USBメモリに「フォーマットしてください」と出た ◎70/70 ◎70/70 ○68/70
消えたあとも撮り続けた(82MB上書き) △写真17/50
動画15/15
×写真17/50
動画0/15
△写真17/50
動画15/15
exFATのUSBメモリをNTFSでクイックフォーマットした △49/88 △50/88 △53/88
自分の場合に当てはめると
  1. 消しただけ・同じ形式のままクイックフォーマットしただけなら、今回は写真50枚が全部戻りました。「フォーマットしてください」と出た直後も同じです。同じ状況なら、戻る見込みは高いです。
  2. 消したあとも撮影や保存を続けていたら、新しいデータが古い場所に書き込まれ(上書き)、その分は戻りません(3本とも同じ)。削除後に82MBを書き込んだSDカードでも、今回の動画15本は戻りました。
  3. フォーマット画面で選ぶ形式(ファイルシステム。exFAT・NTFSなど)を変えてフォーマットし直すと、半分ほどは戻りません。戻らなかったファイルの大半(メモ帳20個・書類10個・写真6枚)は3本とも同じで、残りに数点の差がありました。
  4. パソコン本体で消して、ごみ箱も空にした写真は、50枚とも戻りませんでした(EaseUS・4DDiGも同じ)。一覧には元の名前で出ましたが、保存すると中身は別のデータでした。Windowsの初期設定のままのパソコン1台で試した結果です。ソフトを買う前に、OneDriveやバックアップに残っていないかを確かめてください。
Recoveritのスキャン結果。USBメモリに入っていたのは88ファイルだが、元の場所90件と再構築100件の合計190件と表示される

スキャン結果の件数は、気にしなくて大丈夫です。USBメモリで消しただけの回では、検出は190件・244MBと出ました。実際に入っていたのは88ファイル・123MBなので、約2倍です。同じファイルを何度も数えているためで、件数が多いから優秀というわけではありません。EaseUSは5.7倍、4DDiGは1.01倍で、戻った数は3本とも88/88でした。

レビュー投稿サイト(フリーソフト100)の低い評価は12件ありました。そのうち6件は「ファイル名は戻ったが、中身が別物だった」という内容です。投稿した人の環境は分からないので原因は絞れませんが、消したあとに書き込むと同じことが起きます。名前の一覧は残っていても、中身は別のデータに置き換わります(上書き)。そのため、この記事の「戻った」は、中身が1バイトも変わらずに戻ったものだけを数えています。

なごむ
なごむ

「復元できました」の画面では、中身が同じかどうかは分かりません。

使い方|5ステップ。迷うのは「どこから選ぶか」の1か所だけ

自分で操作できるか不安な人でも、画面は5つしか出てきません。注意が要るのは③の「どこから選ぶか」だけなので、そこを先に押さえてください。

①消えたSDカードやUSBメモリを選ぶ

ホーム画面に、つないであるドライブが並びます。SDカードやUSBメモリは「SDカードデータ復元」、パソコン本体なら「HDDやデバイスから復元」です。消えたドライブを1つ選びます。

Recoveritのホーム画面。つないだドライブが並び、消えたドライブを選ぶ

②スキャン|8GBのSDカードで約11分

「スキャン」を押すと、消えたファイルを探し始めます。8GBのSDカードで約11分でした。終わる前でも、見つかったファイルの一覧と中身は見られます。

Recoveritのスキャン完了画面。8GBのSDカードで3,678件が見つかった

③「ファイルの場所」タブから選ぶ

左上に「ファイルの場所」と「ファイルの種類」の2つのタブがあります。「ファイルの場所」タブを開き、元のフォルダ名が見える側から、戻したいフォルダやファイルにチェックを入れます。

Recoveritの「ファイルの場所」タブ。元のフォルダ名が見える側から選ぶ

「ファイルの種類」タブから選ばないでください。同じSDカードで、このタブから写真50枚を選んで復元すると、50枚とも保存はされました。しかし名前は連番に変わり、中身が元と一致した写真は0枚でした。「ファイルの場所」タブから選び直すと、50枚中49枚が元のまま戻りました(無料版での結果。有料版では50枚中50枚)。

Recoveritの「ファイルの種類」タブで写真50枚を選んだ画面。ここから復元すると、中身が元と一致した写真は0枚だった

④プレビューで中身を確かめる

ファイルをダブルクリックすると、復元する前に中身を見られます。写真が表示されれば、戻る見込みが高いです。名前はあるのに中身が表示されないものは、上書きされている可能性があります。

Recoveritで、復元する前に写真の中身をプレビューしている画面

⑤別の場所に保存する

「復元」を押し、保存先に別の場所(パソコン本体か、別のUSBメモリ)を指定します。消えたSDカードの中には保存しないでください。保存先には「Recoverit 日時」というフォルダが自動で作られ、元のフォルダ名のまま入ります。

Recoveritの復元先フォルダ。元のフォルダ名とファイル名のまま90個が保存された
なごむ
なごむ

選び直しは、同じスキャン結果からできます。スキャンのやり直しは要りません。

起動しないパソコン|起動用USBは2台で起動した。ただし取り出せたのは88ファイル中13

パソコンが起動しなくなった人は、中のデータを起動用USBで読み出せるかが気になるところです。Recoveritには「クラッシュしたPCから復元」があり、動くパソコンでUSBメモリに起動用USBを作れます。約2分で作れましたが、ネット接続が要ります。

作った起動用USBは、2台のパソコンで起動しました。1台は2009年のPanasonic(Let’s note CF-S8)です。もう1台は2023年のLenovo(IdeaPad Slim 5)です。画面は最初が英語で、メニューから日本語に切り替えられます。

2009年のノートパソコンでRecoveritの起動用USBが起動し、内蔵ディスクが一覧に出た画面

ただし、取り出す段階で差が出ました。2009年のPanasonic(222GBのHDD・メモリ4GB)に、写真50枚と書類38個を入れました。これを起動用USBから外付けへ取り出す実測です。Recoveritで取り出せたのは88ファイル中13(写真12枚・書類1個)でした。
最初のスキャンは約6時間半かかり、終わっても持ち主の「ピクチャ」「ドキュメント」のフォルダが一覧に出ません。追加のディープスキャンで出てきたのは、連番の名前が付いたファイルだけでした。EaseUSは同じパソコンで、31分で写真が一覧に見え、88ファイル全部を取り出せました。4DDiGは約1分で一覧に出て、88ファイル中84を取り出せました。同じパソコン・同じ88ファイルですが、測った日は違います(EaseUSは9月、ほかの2本は10月)。4DDiGの84は、写真と書類の2つのフォルダから選んだ数です。

2009年のパソコンでRecoveritの起動用USBがスキャンした結果。持ち主の写真や書類のフォルダが一覧に出ず、取り出せたのは88ファイル中13だった

パソコン1台での結果なので、どのパソコンでもこうなるとは言えません。Recoveritは6時間半のスキャンを一度も落ちずに完走しました。EaseUSはメモリ不足で3回落ちましたが、落ちる前に取り出せています。それでも、起動しないパソコンからの取り出しが目的なら、EaseUSをおすすめします。

もう1つ、暗号化されたパソコンは読めませんでした。試したのは2023年のLenovo(Windows 11 Home)です。初期設定のまま暗号化(BitLocker)がオンになっていました。買ったときの設定のまま暗号化がオンになっている機種があり、中身を見るには回復キーが要ります。Recoveritの起動用USBは暗号化に気づきません。ディスクは「Unformatted(未フォーマット)」と表示されました(9月と10月の2回とも)。キーを入れる画面も出ません。「Hard Disk Copy」でコピーしても、一瞬で完了と出るだけで中身は写りませんでした。EaseUSと4DDiGは、同じLenovoで回復キーの入力画面を出しました。

Recoveritの起動用USBが、暗号化されたパソコンのディスクをUnformattedと表示した画面

暗号化しているなら、回復キーの入力画面まで出たのはEaseUSと4DDiGです。キーを入れて中身が見えるかまでは試していません。自分のパソコンが暗号化されているか分からない人は、動くうちに回復キーが保存されているかを確認しておくと安心です。起動しないパソコンからの取り出しは、EaseUSで通した手順を別の記事にまとめています。

復元以外にできること|ディスクを丸ごと写す・薄暗い顔写真を明るくする・壊れた写真を直す

永続版を買うと、復元のほかにも機能が付いてきます。「修復もできる」「AIで補正」と書かれていても、実際に役立つかは押してみないと分かりません。全部押して確かめたところ、実際に役立ったのはディスクイメージ・顔の細部補正・ファイル修復の3つです。残りは画面を開くところまで確かめましたが、効果までは試せていません。
ホーム画面の左に「ファイル復元」と「ユーティリティツール」が並びます。ユーティリティの中は「パーティション復元」「ファイル修復」「その他のツール」の3つです。

Recoveritの「その他のツール」。復元ユーティリティ4つとパーティション管理3つが並ぶ
機能 何ができるか 試した結果
ディスクイメージ HDD・SSDを丸ごと1つのファイルに写す ◎ 使えた474GBを約2時間半で作成できた
AI写真補正
(顔の細部補正)
顔写真を明るくはっきりさせる ◎ 効果あり薄暗い顔写真がきれいになった
AI写真補正
(ピンボケ補正)
ぼやけた写真を鮮明にする △ 変化なしピンボケの写真5枚で変化が分からなかった
ファイル修復 開けなくなった写真・動画・文書を直す ○ 一部直る先頭が壊れた写真は直った。後ろが欠けた写真は直らない
クラッシュしたPCから復元 起動用USBを作り、起動しないパソコンから取り出す △ 弱い2台で起動。取り出せたのは88ファイル中13
パーティション復元 消えたパーティションを探して戻す △ 未確認動いたが、失われたものが無く効果は確かめられず
高度な復元 写真や動画に特化。動画の断片を結合する △ 画面のみ画面を開いたところまで
OneDriveデータ復元 パソコン内のOneDriveの同期フォルダを探す △ 画面のみ動いたが、出たのはアプリ自身のファイルだけ
NAS・Linuxの
データ復元
ネットワーク上のNASやLinux機から取り出す △ 画面のみ画面を開いたところまで(機材なし)
MBRからGPT/
パーティション管理/
システム移行
ディスクの形式変更・分割・引っ越し × 別売り永続8,980円の別製品

ディスクイメージ|復元の前にHDD・SSDを丸ごと写せる(474GBで約2時間半)

弱ったHDD・SSDに何度もスキャンをかけると、そのたびに状態が悪くなります。ディスクイメージは、HDD・SSDを丸ごと1つのファイルに写す機能です。原本には1回だけ読み出しをかけ、あとは写したほうを使う、業者と同じ考え方です。
入口は「HDDやデバイスから復元」の「ディスクイメージ」で、「新しいディスクイメージファイルを作成」を選びます。今回は正常な474GBの内蔵SSDで試し、作成に約2時間半かかりました(EaseUSは同じSSDで1時間17分)。4DDiGにも同じ機能があり、作成を始めるところまで確かめました。入口が分かりにくいので、知らないと気づきません。
写したファイルを読み込む入口(「既存のイメージをインポート」)もありますが、そこからのスキャンは試していません。

Recoveritで474GBのディスクを丸ごとイメージファイルに写し始めた画面

AI写真補正|顔の細部補正は薄暗い顔写真を明るくした。ピンボケ補正は変化なし

AI写真補正は、機能と写真で結果が分かれました。「顔の細部補正」は、薄暗く画質の荒い顔写真1枚で試した範囲では、明るくはっきりした顔に仕上がりました。同じような写真を直したい人には、使う価値があります。一方「ピンボケ補正」は、ピンボケや手ブレの写真5枚で変化が分かりませんでした。
処理の前に、写真をクラウドへ送る同意を求められます。人の顔や書類の写真は、送ってよいか考えてから使ってください。

Recoveritの顔の細部補正。処理前は薄暗い顔写真、処理後は明るくはっきりした顔
Recoveritのピンボケ補正。処理前と処理後のスライダーで、ピンボケの写真に変化が見えない

ファイル修復|先頭が壊れた写真は直る。後ろが欠けた写真は直らない

「ファイル修復」には、動画・写真・ドキュメントの修復と、AI写真補正が入っています。壊れた写真の修復は、わざと壊した写真6枚で試しました。先頭が壊れた2枚は開けるようになり、画素も元と同じでした。後ろが欠けた2枚は下が灰色のまま、途中が抜けた2枚は下がずれたままで直りません。今回試した6枚では、EaseUS・4DDiGとまったく同じ結果でした。
ただし、修復のあとに「全体が写った小さいファイル」が出ます。これは写真に埋め込まれた縮小画像(サムネイル・160×120)で、元の写真ではありません。

Recoveritで修復しても、後ろが欠けた写真は下半分が灰色のままだった

パーティション復元・高度な復元・OneDrive・NAS|画面まで確かめた機能

パーティション復元は、消えたパーティションを探して戻す機能です。試したパソコンには失われたパーティションが無く、「見つかりませんでした」で終わりました。機能が動くところまでは確かめています。
高度な復元は写真と動画に特化した入口で、動画の断片を結合するとされています。OneDriveデータ復元は、パソコン内の同期フォルダをスキャンする機能でした。試したところ、出てきたのはOneDriveアプリ自身のファイル(ログやアイコン)だけでした。NAS・Linuxは、ネットワーク上の機器にSSHでつないで取り出す画面で、機材がないため試していません。

Recoveritのパーティション復元。失われたパーティションは見つからなかった

別売りの3機能|永続版でも購入画面になる

気をつけたいのが別売りの機能です。「その他のツール」の下段にある「MBRからGPT」は、実行の手前で購入画面になりました(別製品・永続8,980円)。「ディスクパーティション管理」「システム移行」も同じ製品の機能で、選ぶ画面までは開けますが、実行までは試していません。メニューに並んでいても、永続版の料金には入っていないことを知っておいてください。

Recoveritの「MBRからGPT」の画面。この機能は永続版でも別料金が必要

壊れた動画や写真を直すことが目的なら、修復専用のソフトがあります。同じメーカーならWondershare Repairitです。当サイトで試したのは、次の2本です。

EaseUS・4DDiGとの違い|SDカード・USBメモリからは同じ。差は起動しないパソコン・動画・2台・付属機能

他の2本と迷っている人のために、同じ条件で測った結果を並べます。SDカード・USBメモリから戻した数は、3本ともほぼ同じでした。差が出たのは次の項目です。測った版は、Recoverit 14.0.35・EaseUS 20.7.0・4DDiG 10.9.6です。4DDiGの一部は11.0.2.1で測っています。

何をしたか Recoverit EaseUS 4DDiG
消したあとも使い続けた(動画) ◎15/15 ×0/15 ◎15/15
起動しないパソコンから取り出す(2009年機・88ファイル) ×13/88 ◎88/88 ○84/88
暗号化されたパソコンを起動用USBから読む ×読めない △回復キーの画面まで出た △回復キーの画面まで出た
起動しないパソコンそのものを直す ×なし ○あり(1台で直った) ×なし
消す前の備え(消す前の状態を自動で残す機能) ×なし ○あり ×なし
復元の前にディスクを丸ごと写す(ディスクイメージ) ○あり ○あり △あり(作成開始まで確認)
顔写真をAIで補正する ○あり(有料版に含まれる) ×なし △別売り
永続版の価格・台数 12,980円・2台 19,690円・1台 12,980円・1台
永続版の大型アップデート ×買い直し ○無料だった ○無料だった

SDカード・USBメモリから戻すなら、Recoveritをおすすめします。消しただけ・クイックフォーマットなら、写真が戻った数は3本とも同じです。Recoveritは2台で使え、顔の細部補正も有料版に含まれます。起動しないパソコンから取り出したい人や、消す前の備えまで考える人はEaseUSです。3本の使い比べは、比較記事に全部まとめています。

V15の新機能|公式が挙げる6つと、買い直す前に知っておくこと

これから買う人はV15を買うことになります。V14の永続版を持っている人は、買い直す価値があるかが気になるところです。公式が変更点として挙げているのは、次の6つです(紹介動画は2026年9月28日公開)。

Recoverit公式の製品ページ。2026年9月下旬からV15の表記になった
  • SDカードを使っていたカメラの機種を判別し、スキャン結果をその場で表示する
  • 高画質の動画(H.264・H.265・ProRes)を、復元する前に再生して確認できる
  • AIが付けたタグで、見つかったファイルを普通の言葉で検索できる
  • スキャン中にファイルの状態を判定し、壊れた動画は自動で修復を試す
  • パーティションの構造を探して作り直す
  • Mac版:Apple Silicon、Final Cut Pro・iMovieのプロジェクト、iCloudへの保存に対応

この記事の数字は、すべてV14(14.0.35)で測ったものです。V14の永続版を持っている人がV15を使うには、公式の注記では新しい永続ライセンスが必要です。買い直す価値があるかは、同じSDカードをV15で読み直して確かめてから書きます。

よくある質問

返金保証はありますか?

7日間の返金保証がありますが、条件があります。当てにせず、先に無料版で見えるかを確かめてください。

Mac版はどれを買えばいいですか?

消したファイルを戻すだけならProを選んでください。起動しないMacから取り出したいならUltimate以上です。Pro・Ultimateは1台、Ultimate Plusは2台で使えます。

V14の永続版を持っています。V15に上げるべきですか?

V14のまま使い続けられます。消したデータを戻す力は、この記事の数字のとおりです。V15に上げるには買い直しが要ります。同じSDカードで読み直した結果を見てから判断してください(測り次第この記事に足します)。

起動しないパソコンにも使えますか?

起動用USBは2台のパソコンで起動しましたが、2009年のパソコンから取り出せたのは88ファイル中13でした。同じパソコンで、EaseUSは88ファイル全部、4DDiGは84を取り出せました。詳しくは起動しないパソコンの章へ。

スキャンに時間がかかります。普通ですか?

普通です。時間は容量と消し方で大きく変わります。8GBのSDカードで約11分、57GBのUSBメモリで約3分から30分でした。途中でも一覧とプレビューは見られます。

SDカードやHDDが物理的に壊れていそうです。使えますか?

異音がする・認識したりしなかったりする・水に濡れた、のどれかに当てはまるなら、ソフトは使わず業者に相談してください。通電を繰り返すほど状態が悪くなります。

起動するたびに更新の案内が出ます。止められますか?

設定画面が無いので、止める方法はありません。案内が出たら「後で通知」を押します。V14のまま使いたい人は、ここで「更新」を押さないでください。

困ったときの問い合わせ先はありますか?

メール・電話・チャットの窓口があります。電話は平日の10時から13時と15時から19時30分です(2026年10月4日に公式ページで確認)。

どうやって測りましたか?

3本とも自分で買いました。同じ写真50枚と動画・書類を8GBのSDカードと57GBのUSBメモリに入れ、消し方を変えて5回測りました。戻ったファイルは原本と1バイト単位で照合し、1バイトでも違えば「戻っていない」と数えています。

まとめ|次にやること3つ

次にやること
  1. 無料版で、戻したいファイルを探してプレビューする
  2. 大事なものを数枚だけ保存して、開けるか確かめる
  3. 500MBまでなら無料で保存。超えるなら永続版12,980円(2台)で保存する

起動しないパソコンから取り出したい人は、起動しないパソコンの章のとおりEaseUSを選んでください。

なごむ
なごむ

無料版で数枚を保存して開いておけば、買ったあとに戻らないという失敗を減らせます。

データを復元するならこの1本

2台分のライセンスが付いてくる

「何をしたか」がはっきりしている人は、その症状の記事のほうが手順が細かいです。