- 10年間の家族との写真を保存したパソコンが壊れた。
- 大切なクライアント用の動画データが消えてしまった。
データ消失は絶望どころか、体の一部分が切り取られるような痛みや、場合によっては会社人生が変わってしまう事態にもなりかねません。
しかし、データ復旧業者を「家から近い」「検索で最初に出てきた」といった理由で選んでしまうと、取り戻したいデータが戻ってこないだけでなく、法外な金額を請求されるリスクがあります。
本記事では、大事なデータ消失という緊急事態に直面したときの対応方法、データ復旧業者の選び方についてどこよりも詳しく、分かりやすく解説します。
この記事を読むことで、症状に見合ったデータ復旧方法がわかります。
- 復旧スピード・復旧率で選ぶなら「デジタルデータリカバリー」
- 老舗の安心感で選ぶなら「A1データ」
- 料金の安さにこだわるなら「PCエコサービス」
パソコンの修理とデータ復旧の違い
パソコンの故障でデータが消失した時に、電気店に行ってパソコンの修理をしようとすると、ハードディスクの初期化や交換によってデータは完全に消えてしまいます。
なぜなら、パソコンの修理はハードウェアやソフトウェアの動作を元に戻すことが主な目的であり、データ復旧とは異なるからです。
データ復旧は、失われたデータを取り戻すことが目的です。
データ復旧ソフトやクリーンルームでデバイスを分解をしてデータを取り出す作業を行います。
データ復旧業者とデータ復旧ソフトの使い分け方
データを復旧させたい状況に陥っているということは、人間で例えれば病気になっているような状態です。
風邪や頭痛だったらドラッグストアで薬を買うかもしれませんが、交通事故で骨折をしていれば病院に行くでしょう。
パソコンなどの電子機器もそれと同じです。
軽度なデータの消失は、言ってみればドラッグストアの薬や内科病院にあたる「データ復旧ソフト」を使えば高い確率でデータを復旧できます。
例えば、誤ってSDカードのファイルを削除してしまった場合はデータ復旧ソフトで確実にデータが戻ってきます。
また、信頼できるデータ復旧ソフトでは、システムクラッシュやOS不具合、ウイルス感染による論理的損傷の多くの場合でデータを復旧させることができます。
しかし、物理的な障害や深刻な論理的障害、大規模システムのデータ消失が発生した場合は違います。
人間に例えると、交通事故で外科手術をする必要がある状態です。
データ消失が物理的障害である場合、信頼できる専門のデータ復旧業者に依頼することが必要です。
データ復旧ソフトが難しいのは、データが消えた理由が論理的な障害なのか、物理的な障害なのか判断がつかない場合です。データ復旧ソフトで直せない症状にも関わらず、データ復旧ソフトを使うことで復旧率が下がってしまいます。
判断がつかない場合は「3分自己診断」で確認することをお勧めします。
データ復旧業者を選ぶときの5つのポイント
データを失った原因が物理的破損、もしくは深刻な論理的障害である場合には、信頼できるデータ復旧業者に依頼するのが最も確実な方法です。
しかし、データ復旧業者は多く存在し、その中から信頼できる業者を選ぶのは簡単ではありません。
ここでは、データ復旧業者を選ぶ際のポイントを紹介します。
1.復旧実績
データ復旧業者を選ぶ際に最も重要なのは、復旧実績です。
データ復旧は、医療と同じく電子データにノウハウが蓄積されるため、復旧技術の精度、復旧率の高さは実績に比例します。
信頼できるデータ復旧会社は、数字でデータ復旧率、復旧数を公表しています。
逆に実績が少ない会社は、曖昧な表現しか掲載していません。
また、官公庁や大企業のデータ復旧実績があることも判断材料になります。
2.料金体系の透明性
取り戻したいデータが取り戻せなかったのに、高額な料金を支払うのは最悪ですよね。
後からトラブルにならないためにも、下記のような料金体系のデータ復旧業者がおすすめです。
- 取り戻したいデータが復旧できた時に料金発生(成功報酬プラン)
- 初期診断、見積もり無料
取り戻したいデータを取り戻せたときに料金が発生するのが成功報酬プランです。
3.専門的な設備の有無
クリーンルームを保有しているかどうかが一つの基準です。
物理的障害が原因でデータを消失した場合、ハードディスク等を分解する必要がある場合がほとんどです。
ハードディスクは精密機器で微細なホコリが入っただけで重大なトラブルになるため、クリーンルーム・クリーンベンチが必須となります。
また、データ復旧会社には営業だけを行なっていて、データ復旧の技術部分は外注している会社がたくさんあります。
そのような会社は、営業をしている会社の中間マージンが上乗せされるので価格が高くなる可能性があります。
4.復旧スピードの早さ
会社のクライアントに納品するデータなど、納期がタイトな場合には復旧スピードが非常に重要になります。
そんな時には、どんな時にも連絡がついて、すぐに対応をしてくれるデータ復旧業者である必要があります。
5.データのセキュリティ対策
データ復旧業者にデバイスを預けるということは、個人情報や機密情報も含まれている可能性があります。そのため、データ復旧業者がどのようにしてデータを保護するのか、セキュリティ対策がしっかりしているかも確認が必要です。
データのセキュリティがしっかりしているかどうかを判断する一つの基準が、第三者機関(利害関係がない組織)が証明している下記のセキュリティ規格を取得しているかどうかです。
- ISO27001
- プライバシーマーク
ISO27001は情報セキュリティに関する仕組みが国際規格に照らし合わせてしっかりとできていることを証明する規格です。
プライバシーマークは、日本国内で個人情報を適切に取り扱いをしている企業・団体に付与される認証マークです。
おすすめのデータ復旧業者5選
区分 | データ復旧業者 |
---|---|
救急対応有りの総合病院 | デジタルデータリカバリー |
総合病院 | A1データ アドバンスデザイン BUFFALO |
中規模病院 | PCエコサービス |
町医者 | データ復旧を謳っている高度な機器やクリーンルームを持たない業者 |
データ消失は、人間の病気と似ています。
データ復旧業者は病院のような存在です。
病院にも、得意・不得意があるように、目的に合わせてデータ復旧会社を選ぶ必要があります。
ここでは、信頼性が高く実績のあるおすすめのデータ復旧業者を5つ紹介します。
- デジタルデータリカバリー
- A1データ
- アドバンスデザイン
- PCエコサービス
- BUFFALO
1.デジタルデータリカバリー
特徴
デジタルデータリカバリーの強みは24時間365日対応のスピード対応、圧倒的な復旧実績、設備の充実度です。
個人だけでなく、官公庁・企業も相手にしているため設備・技術者・ノウハウ等で日本トップレベルです。
1.復旧実績
データ復旧業者 | |
---|---|
最低値 | 80.1%(2020年8月、2017年12月) |
最高値 | 95.2%(2018年2月) |
デジタルデータリカバリーはどこよりも詳しく復旧率が公表されています。
月毎のデータ復旧率が公式HPで公開されているのは、デジタルデータリカバリー以外では皆無です。
データを公開するのは自信の表れ!
デジタルデータリカバリーの実績は輝かしく、データ復旧の数、依頼される案件の質ともトップレベルといえます。
- 14年連続データ復旧売上No1(2007年〜2020年)
- 累積相談件数 46万件以上
- 他社で不可だった案件相談件数 7,000件以上
- 官公庁、国立大学、上場企業のデータ復旧あり
- 警察からの捜査協力実績
- 東京都より経営革新優秀賞受賞
デジタルデータリカバリーは、一般の方の見学を開放しています。
データ復旧業者で常に見学することができるのは、おそらく日本でデジタルデータリカバリー以外にないと思われます。
これも、設備、技術面での絶対的な自信を裏付けています。
2.料金体系の透明性
デジタルデータリカバリーは、無料相談・診断を行なった後に料金プランの明示がされます。
「どのファイルを復旧できたら成功とみなすか?」という取り決めを行なった上で成功報酬プランを選択することができます。
デジタルデータリカバリーには8つの無料サービスがあります。
注目点は「納品HDDレンタル10日間無料」と「全国どこでも出張診断」。
「納品HDDレンタル10日間無料」は復旧できたデータを保存するハードディスクを10日間無料でレンタルできるサービスです。
通常は、復旧できたデータは、データ復旧業者が用意したメディアを有料で買取するか自分でメディアを用意するしかありません。
無駄なハードディスクの費用がかからず合理的です。
「全国どこでも無料診断」は法人や官公庁などの大規模システム障害の時には365日24時間対応と合わせてとても助かるサービスです。
また、支払い方法がクレジットカード以外に「銀行振り込み」「現金支払い」「請求書払い」「保険支払い」「公費での支払い」と多彩であることも法人にとっては嬉しいポイントです。
3.専門的な設備の有無
デジタルデータリカバリーの設備の充実度は日本トップレベルです。
- クリーンルーム完備(手術室と同等レベルの洗浄度)
- 平均7344台のドナーハードディスクを保管
- パソコンは1日150台、レイドサーバー、機器は1日50台復旧可能な大規模ラボ
- PC3000などの機器完備
クリーンルームは最高の洗浄度であるレベル100。
個人はもちろん、官公庁・法人の大規模なトラブルにも対応できる大規模ラボを有しています。
機器だけでなく、必要な備品の準備も万全。
ハードディスクの物理的障害がある場合には、故障したハードディスクと互換性のある部品がなければすぐに復旧させることができない場合が多い。
互換性のあるハードディスクのことをドナーハードディスクといいます。
デジタルデータリカバリーは、あらゆるメーカーの新しい機種から古い機種まで様々なハードディスクを自社で保管することで、素早く対応することができます。
\ データ復元14年連続シェアNo.1/
復旧率を完全公開(95.2%)
4.復旧スピードの早さ
デジタルデータリカバリーの復旧スピードの早さは日本トップレベルです。
- 年中無休で営業
- 24時間365日対応
- 依頼の8割を48時間以内に復旧完了
そもそも24時間365日対応しているデータ復旧会社はデジタルデータリカバリー以外にほぼないため、初動が早いことが挙げられます。
また、ハードディスクのドナーを自社で多数持っていること、専門エンジニアの人数が多いことから、一般的なデータ復旧会社よりも復旧スピードは早い。
クライアントに提出が必要なデータなど緊急性が高い場合にありがたいですね。
復旧スピードをそれほど求めない場合には、見積もり時に申し出ることで値引きできる可能性があります。
5.データのセキュリティ対策
デジタルデータリカバリーは官公庁・企業にも多く使われる企業だけあってセキュリティ対策も万全です。
ISO27001、プライバシーマークを両方取得していることはもちろんのこと、セキュリティゲート、40台の監視カメラなど国際空港レベルの社内のセキュリティ実現しています。
\ データ復元14年連続シェアNo.1/
復旧率を完全公開(95.2%)
2.A1データ
特徴
データ復旧の創業30年を誇る日本最古のデータ復旧サービス業者です。
自社でハードディスクの設計・製造を行っていた経験があり、個人の利用者から企業・官公庁まで幅広くデータ復旧を行なっています。
技術力が高く、大規模サーバー、RAID、NASにも対応しています。
1.復旧実績
成功率の実績は公式HPを見る限りは確認できませんでしたが、老舗ならではの累計8万件の復旧事例があります。
2.料金体系の透明性
A1データの料金フローの特徴は2点あります。
1点目は、メディアを送付する前に「おおよその見積もり」と「上限の見積もり」を提示してくれること。
上限の金額が最初に分かるのは安心ですね。
2点目はデータを調査後に、「復旧可能ファイルリスト」を提示してくれること。
求めているデータが復旧できなければ料金は一切発生しないことは安心できるポイントです。
支払いは銀行振込、代引、クレジットカードから選ぶことができます。
個人の場合は前払い限定です。
3.専門的な設備の有無
クリーンルームをはじめ、どんな案件でも対応できるよう最先端の設備を保有しています。
そのため、外注委託をする必要がなく復旧スピードの早さとコスト削減が実現できています。
また、A1データの最大の強みは、30年のキャリア持つベテランエンジニアが多数在籍していることです。
4.復旧スピードの早さ
障害の程度で変わりますが、障害があるメディアが届いて平均実働1〜3日で調査が完了、復旧作業として1日〜3日、その他輸送時間がかかります。
デジタルデータリカバリーの様に365日24時間対応ではありません。
5.データのセキュリティ対策
A1データのセキュリティ対策にかなり力を入れています。
ISO27001の認証を取得してセキュリティの仕組み構築はもちろんのこと、銀行で利用されている耐震/耐火の大型金庫に顧客の機器を保管しています。
3.アドバンスデザイン
特徴
25年の歴史のあるデータ復旧業者です。
2017年にBUFFALOの親会社であるメルコホールディングスの傘下となりました。
BUFFALOのメーカー修理や、データ復旧サービスを原則アドバンスデザインが運営しています。RAIDやNASなどの技術力が求められる案件も多く引き受けています。
1.復旧実績
復旧率はHPから確認できませんでしたが、自社で調査している顧客満足度は87.7%と高い水準です。
2.料金体系の透明性
アドバンスデザインは、一旦メディアを送付し状況に合わせて見積もりの算出になります。
診断・見積もりは無料です。
見積もりを見て、依頼するかキャンセルをするかの判断をします。
3.専門的な設備の有無
クリーンルームを完備しています。
物理的障害の対応は当然のこと、他社で対応できない複雑な論理的障害にも対応できる技術を持っています。
4.復旧スピードの早さ
軽度の場合には、1日から3日、重度の場合には1、2週間程度が目安です。
デジタルデータリカバリーの様に365日24時間対応ではありません。
5.データのセキュリティ対策
ISO27001を取得しており、セキュリティ対策の仕組みがしっかりしています。
4.PCエコサービス
特徴
業界最安値水準43,760円一律料金を実現している創業12年のデータ復旧会社です。
1.復旧実績
累計依頼実績40,000件超えの実績があります。
2.料金体系の透明性
完全成果報酬型で、業界最安値水準43,760円一律料金です。
一般的には、障害の状態によって料金が変わるのが常識ですが、PCエコサービスはすべてのメディア・容量で一律料金です。
その上、データを復旧できなければ無料です。
料金にこだわる方には嬉しいポイントですね。
なぜ完全一律料金にできるかと言うと、物理的障害の場合でも、分解作業を一切しないからです。
クリーンルームなどの特別な設備を持たないため設備費が安くで済み、分解等に関わるエンジニアの労務費も削減することができます。
復旧は、一定の物理的障害にも対応できるデータ解析復旧ツール「PC 3000」を使っています。
3.専門的な設備の有無
分解作業を一切行わないため、クリーンルーム等の設備はありません。
しかしながら、警察庁・官公庁で、導入実績のあるデータ解析復旧ツール「PC 3000」を駆使して復旧を行なっています。
PC 3000は、デジタルデータリカバリーやアドバンスデザインなど他のデータ復旧業者でも使用していますが、PCエコサービスは設備をスリム化することで低価格を実現しています。
4.復旧スピードの早さ
輸送期間も含めて最短3日でメディアが帰ってきます。
デジタルデータリカバリーの様に365日24時間対応ではありません。
5.データのセキュリティ対策
ISO27001などの第三者機関のセキュリティー規格は取得していません。
5.BUFFALO
特徴
外付けハードディスク日本シェアNO1のBUFFALOのデータ復旧サービスです。
料金の特徴は、障害レベルに応じて設定されている固定料金です。
バッファロー製品は他社よりも優遇された料金になります。
1.復旧実績
復旧率等の実績は特に公式ホームページで確認できませんでした。
しかし、法人・官公庁をはじめ、累計受付件数は30,000件を超えています。
2.料金体系の透明性
障害レベルに応じて固定料金制をとっています。
例えばUSBメモリの論理的障害で軽度だと49,500円、中度だと74,250円。物理的障害の軽度だと99,000円という具合です。
注意点は2点あります。
1点目は、固定と言いつつも物理的障害の中度や、論理的障害の重度の場合等だと別途見積もりになり固定料金でないこと。
2点目は、症状が軽い場合には、他社の方が安くなる可能性があること。
また、バッファローのストレージ機器だと、他の製品に比べて数千円程度安い価格でデータ復旧をしてくれます。
3.専門的な設備の有無
外付けハードディスク日本シェアNO1ならでは技術の高さに加えて、「アドバンスデザイン」がBUFFALOの親会社であるメルコホールディングスの傘下であることも大きな強みです。
4.復旧スピードの早さ
メディアが到着後、混雑状況や障害状況によって左右されますが、原則1営業日以内での対応して復旧できれば配送されます。
5.データのセキュリティ対策
ISO27001などの第三者機関のセキュリティー規格は取得していませんが、社内の厳しい情報資産管理基準と個人情報保護基準に基づき管理・保護されています。
まとめ
- 復旧スピード・復旧率で選ぶなら「デジタルデータリカバリー」
- 老舗の安心感で選ぶなら「A1データ」
- 料金の安さにこだわるなら「PCエコサービス」
データ復旧業者5つをご紹介しました。
どれも、間違いのないサービスですが特色が各社違います。
365日24時間窓口で対応でき、無料出張サービスもある「デジタルデータリカバリー」はまさに救急総合病院。
一般の人も見学できる大規模設備を備え、多数のドナーハードディスクを保有し、トップレベルの復旧率を誇ります。
「A1データ」は老舗ならではの確かな技術が魅力です。
「PCエコサービス」はクリーンルーム等の設備を持たないことで、どんなメディア・容量でも43,760円一律料金という画期的な料金体系が強みです。
「BUFFALO」はデータ消失の対象がバッファロー製品の場合、数千円の優遇があります。
データを失うことは、とてつもない痛みを伴います。
それが、2度と体験できない思い出や顧客データだとなおさらです。
適切にデータ復旧業者を選んで、大切なデータを取り戻しましょう。