「知らないアプリが勝手にインストールされていた…」そんな違和感を抱えていませんか? それをそのまま放っておくと、スマホの中の個人情報が盗まれ、知らない間に悪用されてしまうかもしれません…。
この記事では、スマホがハッキングされていないかを確かめるための具体的な7つのサインと対策を紹介します。
- スマホの右上に赤や緑のランプがついているときは要注意。
- 身に覚えのない2FA(二要素認証)コードリクエストを受信する場合は、危険な状態。
- ログインできない、データ使用量が異常に多い、バッテリーの消耗が激しいなどが複数当てはまる場合は要注意。
身近に潜むハッキングの脅威

ハッキングとは、悪意のある人物がスマートフォンに不正アクセスすることです。
個人情報やクレジットカードの情報を盗まれたり、犯罪に利用されるなど甚大な被害を受けてしまいます。
ハッキングというと、高度な技術を持った組織が行っているイメージを持つ人が多いと思います。
しかしながら、遠隔操作アプリは簡単に入手できるし、公衆Wi-Fiになりすまして個人情報を傍受することは、少し知識があれば誰でもできる時代です。
まして、技術のあるハッカーに狙われれば「スマホを落としただけなのに」のようにパスワードを破られて、遠隔アプリを仕組まれて思いのままに個人情報を利用されてしまうことも現実に起こりえます。
ハッキングされているか確かめる7つのサイン
もしもハッキングをされていた場合のサインには主に以下のようなものがあります。
- スマホの右上に赤や緑のランプがついている
- 身に覚えのないアプリがある
- 2FA(二要素認証)コードリクエストを受信する
- アカウントにログインできなくなる
- データの使用量が急に増えている
- バッテリーの消耗が早い
- 動作が遅い
スマホの右上に赤や緑のランプがついている

何も操作をしていないのに、iPhoneの右上に赤や緑のランプがついていることはありませんか?
このランプは、録音や写真・動画の撮影時に点灯するランプです。
このランプが勝手についているということは、遠隔操作アプリで盗聴や盗撮がされている可能性があります。
身に覚えのないアプリがある
入れたつもりのないアプリがスマホに入っている場合は要注意です。
項目 | 内容 | アプリ |
スパイウェア | 位置情報、閲覧履歴、連絡先、パスワードなどの個人情報を密かに収集 | 遠隔操作するアプリ キーボード入力を記録するアプリ 位置情報追跡アプリ |
マルウェア | 個人情報の盗難、データの破壊、強制的な広告表示 | ウイルス トロイの木馬 ランサムウェア |
アドウェア | 迷惑な広告を大量に表示し、個人情報を広告主に送信 | ポップアップ広告 スパム広告 |
これらのアプリは、見てわかるものもあれば通常は見えない状態になっているものもあります。
2FA(二要素認証)コードリクエストを受信する
身に覚えがないのに、2FA(ファクター)(二要素認証)のコードリクエストを受信している場合は、明らかにハッキングの疑いがあります。
2FA(二要素認証)はハッカーから資産を守るために、特に金融機関等のサイトでは強く推奨されています。
身に覚えのない2FAのリクエストが届いた場合、それは誰かがあなたのアカウントに不正アクセスを試みているサインかもしれません。
絶対にコードを入力せず、すぐにアカウントのセキュリティを確認しましょう。
楽天証券で不正アクセス多発
2025年3月に楽天証券で、フィッシング詐欺を起因とする不正アクセスが多発しました。
具体的な被害としては、具体的には、顧客のログインIDやパスワードが不正に取得され、保有する株式や投資信託が無断で売却されるといった被害です。
- 投資信託の積立のみを利用していた別の利用者も、同様に不正アクセスを受け、知らない中国株を購入される被害を受けた。
- 投資信託の積立のみを利用していた別の利用者も、同様に不正アクセスを受け、知らない中国株を購入される被害を受けた。
この問題で注目されたのが2FA(ファクター)(二要素認証)。
少しの手間で大幅にセキュリティレベルを上げることができます。

アカウントにログインできなくなる

ハッキングされていると、パスワードを勝手に変更され、アカウントにログインできなくなることがあります。
突然ログインできなくなった場合は、ハッキングの可能性も疑うべきです。
ただし、単純にパスワードを忘れているだけ、ということもよくある話。
焦らず、他の不審な動きと合わせて総合的に判断するのが大切です。
データの使用量が異常に増えている
ハッキングされていると、知らない間にデータがやり取りされ、通信量が異常に増えることがあります。
特に、大量のデータを送受信するスパイウェアやマルウェアが仕込まれていると、通常では考えられない通信量になることもあります。
ただし、単にWi-Fiに接続し忘れてモバイルデータを消費しているだけ というケースもよくあります。通信量の増加だけで判断するのではなく、他の不審な動きと合わせてチェックすることが大切です。
バッテリーの消耗が激しい
ハッキングされていると、バックグラウンドで勝手に動作が行われるため、バッテリーの消耗が異常に早くなることがあります。特に、不正なアプリがデータを送受信していると、スマホが常に負荷の高い状態になり、急激にバッテリーを消費することも。
ただし、バッテリーの寿命が原因で消耗が早くなっているだけ、というケースも多いので、これだけでハッキングと決めつけるのは早計。他の不審な動き(データ通信量の増加や身に覚えのない2FAリクエストなど)と合わせて総合的に判断することが大切です。
動作が遅い
ハッキングされていると、バックグラウンドで不正な操作が行われるため、スマホの動作が遅くなることがあります。特に、スパイウェアやマルウェアが裏で動いていると、処理が重くなり、普段よりもアプリの起動や操作に時間がかかることも。
ただし、ハードウェアの劣化やソフトウェアの不具合で動作が遅くなっている可能性もあります。単にストレージの空き容量が少なかったり、長期間再起動していなかったりするだけかもしれません。
動作の遅さが気になる場合は、他の不審な動きとあわせて判断しましょう。
ハッキングされてしまった時にまずやること
ハッキングをされてしまったことが分かった時にはどうすればいいでしょうか?
まず実施すべきことは以下の2点です。
- ネットワークから切断
- 状況の把握と整理
ネットワークから切断
まずは、ハッカーとの接続を断ち切ることが最優先。
- Wi-Fiをオフにする
- モバイルデータ通信をオフにする
- パソコンならLANケーブルを抜く
状況の把握と整理
- いつから? → いつ頃から不審な兆候が現れ始めたか
- 何を? → どのデバイスやアカウントに異常が見られるか
- どのように? → どんな状況で異常が発生したのか
この情報をまとめることで、今後の対応がスムーズになります。
また、この時点で クレジットカードの不正利用が疑われる場合は、すぐにカード会社に連絡して利用停止の手続きを行いましょう。 被害を最小限に抑えるためにも、早めの対応が大切です。
具体的な対策

具体的な対策としては、以下の4点があります。
- パスワードを変更する
- 不要なアプリをアンインストールする
- 工場出荷時にリセットする
- 専門家に見てもらう
パスワードを変更する
ハッキングをされたスマホ自体のパスワードの変更をしましょう。
iPhoneだと、Apple IDのパスワードを変更します。
そのほかには、特に、銀行やクレジットカードなど重要なアカウントは必ず変更するようにしましょう。
不要なアプリをアンインストールする
ハッキングの影響で、不正なアプリがインストールされている可能性があります。
- スマホやパソコンに身に覚えのないアプリがないかチェック
- 怪しいアプリはすぐにアンインストール
- 公式ストア(App StoreやGoogle Play)以外からインストールしたアプリがないか確認
特に、「遠隔操作」や「キーボード入力を記録する」系のアプリ はすぐに削除しましょう。
ただし、専門家に相談する予定がある場合は、そのままの状態を保持する必要があります。証拠が残っていることで、原因の特定や対策がスムーズになります。
工場出荷時にリセットする
最終手段として、デバイスを初期化(工場出荷状態に戻す)する。
初期化する前に、必要なデータのバックアップはとっておくようにしましょう。
ただし、専門家に相談する予定がある場合は、リセットしてはいけません。初期化してしまうと、ハッキングの証拠が消えてしまい、原因の特定が難しくなります。リセットどころか電源を切ってしまうとログが削除されてしまう可能性があるため、スリープモードで管理することが大切です。
専門家に見てもらう
項目 | 初期費用 | 緊急対応 | 技術的対応 | 法的対応 | 補償対応 | 証拠保全・分析 | データ復旧 | 継続サポート |
警察 | ◎ (無料) | △ | × | ⚪︎ | × | △ | × | × |
消費者センター | ◎ (無料) | △ | × | × | ⚪︎ | × | × | △ |
フォレンジック調査会社 | × | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ⚪︎ |
弁護士 | × | × | × | ⚪︎ | ⚪︎ | △ | × | ⚪︎ |
自分だけでは対応が難しい場合や、被害が拡大している場合は、専門家への相談を検討しましょう。
警察
警察のサイバー犯罪相談窓口では、ハッキング被害について無料で相談でき、状況によっては犯罪として扱われる可能性があります。特に、金銭被害や不正アクセスなど、明確な違法行為があれば捜査に進展することも。
ただし、被害の規模や内容によっては「対応が難しい」と判断されることもあります。また、警察は技術的なサポートは提供していないため、データ復旧やセキュリティ対策については、フォレンジック調査会社などの専門業者に相談する必要があります。
ハッキング被害に遭ったら、まずは警察に相談しつつ、必要に応じて他の専門機関と連携するのがベストです。
消費者センター
消費者問題に関するトラブルは、専門の相談窓口でアドバイスを受けることができます。たとえば、不正請求や個人情報の悪用など、消費者としての被害に対応してもらえることが特徴です。
ただし、対応範囲はあくまで「消費者問題」に限定されるため、ハッキング被害の技術的な対策や法的手続きはサポート対象外。サイバー攻撃やデータの復旧が必要な場合は、フォレンジック調査会社など、別の専門機関に相談する必要があります。
それでも、不当な請求や契約トラブルなど、ハッキング被害によって発生した消費者問題について相談するには有効な選択肢です。困ったときは、まず相談してみるのも一つの手です。
フォレンジック調査会社
フォレンジック調査会社は、デジタルデータを解析して証拠を見つけ、ハッキングやサイバー攻撃を解明する専門企業です。
「データの復元・解析」→「行動履歴の特定」→「調査レポート作成」→「法的手続きやセキュリティ強化」というステップで、企業や個人をサポートします。
相談できる専門家の中で唯一、専門技術を持っており緊急事態にも対応できるところが魅力です。
\24時間365日スピード対応/
相談・見積もり無料
弁護士
弁護士に相談すれば、ハッキング被害に対して法的アドバイスを受けたり、損害賠償請求などの手続きを進めたりすることができます。特に、犯人の特定や損害回復を目指す場合は、法的なアプローチが有効です。
ただし、弁護士は技術的な対応は行わないため、根拠となる調査レポートはフォレンジック調査会社に依頼する必要があります。また、相談料や着手金などの費用が高額になることもあり、依頼する際は費用面をしっかり確認することが大切です。
ハッキングの影響が大きく、法的措置が必要な場合は、弁護士への相談も選択肢の一つとして検討してみましょう。
まとめ
スマホがハッキングされていないかを確かめるための具体的な7つのサインと対策を紹介しました。
- スマホの右上に赤や緑のランプがついているときは要注意。
- 身に覚えのない2FA(二要素認証)コードリクエストを受信する場合は、危険な状態。
- ログインできない、データ使用量が異常に多い、バッテリーの消耗が激しいなどが複数当てはまる場合は要注意。
ハッキングは、個人のデータやプライバシー、さらには金銭的な資産まで脅かす深刻な脅威 です。最も重要なのは、早期発見と迅速な対応。不審な動きに気づいたら、まずネットワークを切断し、パスワードを変更 してアカウントを保護することが最優先です。特に、銀行やクレジットカードなどの重要なアカウントは即座に対応しましょう。
次に、スマホやPCに身に覚えのないアプリがないかを確認し、不審なものを削除。遠隔操作やキーロガーなどのマルウェアは即排除が基本ですが、証拠を保全する必要がある場合は専門家に相談 するのが賢明です。
ハッキングは一度侵入されると被害が拡大するため、「防ぐこと」が最も効果的な対策 になります。二要素認証(2FA)の設定、強固なパスワード管理、信頼できるセキュリティソフトの導入、そして日々の警戒心が、ハッカーから身を守る最善の手段です。